【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
尻もちをついたから泣いてるんじゃない...けど、悔しすぎて勝手に涙が出てきた。
なんでこんな卑怯な奴らに、蘭君をバカにされなきゃいけないの?
そりゃあ暴走族の総長なんてやってるんだもん...狙われて当然なのは分かってる...分かってるけど。
好きなんだもん、護りたくなる衝動に駆られてなにが悪いの?
地面に手を押し付けて、勇気を振り絞って不良たちに言い返そうと立ち上がろうとした。
その時。
ーーーバキッ!!!!!!
痛々しい音と共に、人が夜空の星に向かって宙に浮いた。
「ぐっ...!」
「...っあ...っ!!」
1人が倒れると、それが合図かのように、また1人倒れ。
蘭君がその長い脚を使って、器用に男達の急所を狙い始めた。
もう気絶してるのに、ーーーガッーーーガッと、何度も何度も何度も。
男達のお腹に、蘭君は足先を食い込ませる。