【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
するりするりと、体を前に倒して机に突っ伏す。
光花は私の親友だから、私の味方をしても仕方がないことだけど。
あの状況、あの場面を見たら
絶対蘭君が悪くないって誰もがわかる。
蘭君にとっては裏切られたような気分かも...
もしあの時私が居なかったら
蘭君はあの男たちを気絶させるまで蹴らなかったと思う。
私が居たから、私が女だから。
ーーー私が弱いから。
私なんかを護るために...。
「...っ...」
「ちょっ、彩羽あんた何泣いてんの!」
「だ...ってぇ...」
「泣かないでよ〜!あんたが泣いたら私、どうしていいのか分かんないよー...」
教室で、人だってたくさん居るのに、泣くなんて情けない。
光花が慌ててスカートのポケットからハンカチを出し、それを私の手に握らせる。
スカートに長い時間入っていたハンカチは、温かく、私の目からすぐに涙を奪ってくれた。