【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





ーーーグイッ!!と、蘭君に引き寄せられて。


自分が濡れるのも構わず、私を抱き上げた。




「おっ、降ろしてよ蘭くんっ!!
やだよ!!私見つかるまで探すもん!!」


「いい加減にしろ」


「...っ...」



自由が奪われた今、蘭君の低い声が異様に怖い。


ふぅ...と。蘭君のため息が、私の太ももを刺激して


そして。




「ほんと、もういいから。」


「...らっ、」


「んなもん...なくなっちまった方がいいんだよ。」


「...」


「それに、お前に風邪引かれたら、困る」




弱々しくそう言われ

表情も分からないまま、川から上がったときには、お互いびしょ濡れだった。




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