【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





ねえ、タバコの匂いなんか嫌いだよ。



苦くて

目に染みて

ムカつくくらい、鼻を刺激するんだもん。



でも、でもね。


その吐き出した白い煙で、少しでも蘭君の辛さが軽減されるなら


私はこれ以上なにも言わないし
見て見ぬ振りをするね。




そういう優しさも......アリだと思うから。

















「なんか食ってくか?」


「えっ!?」


「俺の奢りだ」


「そっ、それって仲直り!?」


「...なんだ、そのダセェ言い方は。
ラーメンぐらいなら奢ってやるよ」


「えー、ラーメンって全然オシャレじゃないよー!!」


「じゃあ食うな」


「うっ...嘘です、ラーメンでお願いします」


「はっ、なんだよそれ。
結局奢られたいだけだろお前」


「ちっ、違うもん!!
蘭君となにか食べられると思うと嬉しいんだもん!!」


「...相変わらず恥ずかしいことをペラペラペラペラと言うな、お前。」


「...だって、本当のことだし?」


「まあ、いいと思うぞ、お前らしくて」


「...っ!?らっ、らんくん...」


「黙れ。それ以上何も言うなよ、早く行くぞ」


「うっ...うん!!!!」







< 152 / 451 >

この作品をシェア

pagetop