【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
ねえ、タバコの匂いなんか嫌いだよ。
苦くて
目に染みて
ムカつくくらい、鼻を刺激するんだもん。
でも、でもね。
その吐き出した白い煙で、少しでも蘭君の辛さが軽減されるなら
私はこれ以上なにも言わないし
見て見ぬ振りをするね。
そういう優しさも......アリだと思うから。
「なんか食ってくか?」
「えっ!?」
「俺の奢りだ」
「そっ、それって仲直り!?」
「...なんだ、そのダセェ言い方は。
ラーメンぐらいなら奢ってやるよ」
「えー、ラーメンって全然オシャレじゃないよー!!」
「じゃあ食うな」
「うっ...嘘です、ラーメンでお願いします」
「はっ、なんだよそれ。
結局奢られたいだけだろお前」
「ちっ、違うもん!!
蘭君となにか食べられると思うと嬉しいんだもん!!」
「...相変わらず恥ずかしいことをペラペラペラペラと言うな、お前。」
「...だって、本当のことだし?」
「まあ、いいと思うぞ、お前らしくて」
「...っ!?らっ、らんくん...」
「黙れ。それ以上何も言うなよ、早く行くぞ」
「うっ...うん!!!!」