【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「...」
「...」
気持ち悪いくらいに、居心地の悪い空気と無言が続く。
無言の圧に耐えられなくなった私は
そこら辺に生えている草をブチブチと引き抜いて、なにを話そうか考えていた。
せっかくだし、言いたいこと全部ぶちまけてやろうと拳を握るけど。
「あんた...なんでそこまでして百目鬼さんに近づくの?」
やっと口を開いてくれた丸川さん。
でも、その質問に私はまた無言になる。
「...」
「いい加減離れてよ...。
どうせあんたも、百目鬼さんの顔が好きで近づいてんでしょ?」
「なっ...!?
違う!私はもっと...」
単純なことで好きになったの。
顔がいいから好きとかそんなんじゃなくて。
護ってくれたから...
蘭君が私のことを助けてくれたから好きになったの。
「...そっちこそ。
蘭君の顔が好きで好きになったんじゃないの?」
「百目鬼さんのこと、”君”付けで呼ぶな。
あの人はあんたみたいなイイ子ちゃんが手に負える様な人じゃない」
「そんなの...っ、蘭君が決めることじゃん」
「あんたもいつか痛い目見るよ。
あの人は普通じゃない」
「...」
「普通じゃないから言ってんだよ...」