【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「疲れたから...休んでるだけですよ」
「ふーん、じゃあさ。この後暇だったりするわけ?」
「全然暇じゃないです」
「あれ?見た目とは違って結構ハッキリ断るタイプなんだね、君」
「あなたこそ...見た目通りチャラいですね」
「チャラい?俺が??」
「...」
「俺はチャラいんじゃなくて、カッコイイからこうなってしまったのだ〜〜」
「......」
なんか変な人に絡まれてしまった...。
ダメだ、こういう人に構ってると、こっちまで頭おかしくなってくる。
無視無視...と。
あからさまに顔を下に向けて、チャラ男を視界に入れないよう無視する態勢に入ると。
「おい、未知(みち)。勝手にうろちょろすんなって言ってん...だろ.........彩羽?」
聞き覚えのある声が、風と一緒に私の耳に触れて。
勢いよく顔を上げると、いつの間にか私の目の前にいたチャラ男の顎に、私の頭が突撃してしまった。
ーーーゴチン!!と痛々しい音が鳴る。
「いってぇ...!!」っと、チャラ男が顎を手で押さえながら、その場にしゃがみ込んだ。
でも私は...痛がってるチャラ男なんか無視してベンチから立ち上がり、私の名前を呼んだ人に駆け寄った。