【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「蘭くんっ...!」
「お前...こんな所でなにしてんだ?」
「へへっ...ちょっとね」
「...それより未知とは知り合いなのか?」
「...?未知??」
名前なのかなんなのかよく分からなくて、頭にはてなマークを浮かばせながら言葉を聞き返すと。
蘭君は倒れているチャラ男の腕を引っ張って、ため息を吐きながら立たせていた。
「未知...お前なにナンパなんかしてんだ、くだらねえ」
「くだらなくなんかねーよ!!
可愛い子見つけたらとりあえず声かけろって言うだろ!?」
「言わねえよ。」
「まあモテモテの蘭様には俺の気持ちなんか分かんねーよな??
俺も蘭様みたいな顔だったら、人生楽しかったのに」
「......はあ...。
この女は俺の知り合いだ、とりあえず謝れ」
「えっ!?」
グルリと私の方に顔を向けるチャラ男さんのサングラスが下に向かってズレて、驚いた顔が晒された。
「...あの蘭が、女に謝れって...ありえねえ」
「...あの?」
急にチャラ男の顔が青白くなったから、心配になって顔を覗きこんでみた。
ーーーけど。
「きゃっ...!」
ガバリ!と急に抱きつかれて、思わずーーーバチン!と平手打ち。
この人...一体なにがしたいんだか...。