【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
暗い暗い坂道を、少しだけヤケクソになりながら駆けていく。
きっと思い出として青春の1ページに載るのかな?...蘭君と過ごした日々は。
ねえ...信じられる?
好きな人と笑い合えてる時が、きっと他の誰かには絶対に見せられない、見せることの出来ない特別な顔になってるんだと思う。
ねえ蘭君。
いつになったらちゃんと心を開いてくれますか...?
知ってるよ、わたし。
蘭君は何も言わないし、私に不満を向けて接してるわけでもないけど。
本当は...もっと、綺麗に笑えることを。
なんで、そんなに曇った瞳をしているの?
会った時よりは、確かに晴れたのかもしれない。
ーーーでも
完全に消えてないその曇りが、どうしても私を不安にさせる。
彼を受け止める覚悟は出来てるはず...なのに。
やっぱりなんだか
まだまだこのままの彼でいてほしい私がいるから
ーーー好きだと一言、言えないんだと思う。