【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
...聞き間違えかな?
どうしてそんな、願っても叶わないような夢の話をされているのか。
意味不明すぎて、私は固まったまま歩夢さんを見つめ続けた。
「...あれ?もしかして嘘?」
「...っ、誰がそんな嘘を...!」
「いや、だって未知が...。
たぶん、紫蓮想のメンバー全員に言ってると思うけど...あいつ恋愛ごとには口軽いし」
未知って、もしかしてあのチャラ男さん!?
そりゃあ蘭君と付き合ってるって噂、流されるのは嬉しいけど...
私が良くても蘭君からしたら最悪な噂じゃん。
...相手の気持ち、分かってるから余計傷ついちゃうよ、わたし。
「いやあ...相手は彩羽ちゃんだし、全然アリそうな話で疑いもしなかったよ。」
「...蘭くんは、なんか言ってましたか?」
「いや?別に。
とくに否定する様子もないし」
「...(それって絶対めんどくさがってるだけだよ)」