【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
自分の息子に万引きさせようとする父親がこの世存在するわけないと、そもそも想像すらしたことなかった。
最近児童虐待のニュースが多いけど...
まさかその瞬間を目の当たりにするなんて。
ニュースの内容よりも、よっぽど酷に伝わってくるその光景に吐き気さえ覚えた。
と...とにかく!!
男の子を助けなきゃ!!!!
「ちょっと...っ!!
なにやってるんですか!!」
声も、体も震えていた。
でも。
見て見ぬ振りすることなんて出来なくて、怖くてもこの勇気が誰かのためになるなら...って。
その時は本気で考えていた。
「ちっ...!
おい、来いくそがき!!」
「あっ...!」
服の襟を男に乱暴に掴まれて、助けを求める声さえ上げることが出来なかった男の子は、幕が閉じるように家の中に入れられた。
ーーードンドンドン!!
「...っ!!
逃げるなんて卑怯者!!
警察呼びますよ!!」
壊す勢いで、何回ドアを叩いても無反応。
だからといって
見過ごすわけにもいかない。