【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
ーーーその時。
「...っ...」
ドサッ...と膝をついて、急に蘭君が倒れた。
倒れたと同時にその手から離された買い物袋が勢いよく落ちて、潰れた食材が地面に転がる。
それは私を余計混乱させた。
「らん...くん?...ねえ!!蘭君!!」
ダメだ...軽く頬を叩いてみても応答がない。
さっきまで元気だったはずなのに...
なのになんで?
なんで急に蘭君は倒れたの...?
焦り始めてーーー30秒後。
震えた手で地面に落ちていた携帯を拾って、やっと救急車を呼べた。
救急車が来るまで、そう時間はかからなかったけど
付き添いで私も病院に行くことに。
意識のない彼の手を握って、ただただ呆然としている私には、今起こっている出来事が理解できなくて涙すら浮かんでこない。
「...っ...」
不安で押しつぶされてしまいそうなこの鼓動を、誰か止めて...
止めてよ。