【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
なのに。
私の方を振り返った蘭君の唇が、そっと開いて。
”俺の前から消えろ”
「...っ...」
頭が痛い。
なによ消えろって。
私がここに居ることなんか、蘭君に関係ないじゃん。
だけど...そんなに冷たくされる理由も、私には分からないから。
ムキになりながら追いかけて階段を上った。
ピンク色のホテルのドアを勢いよく開いたら。
お客さんと店員さんが顔を合わせないように作られている受付で、ちょうど部屋の鍵を渡された蘭君に、持っていた鞄を投げつけた。
ーーードサッと蘭君の肩に当たった鞄が一瞬で床に落ちた。
蘭君が私を睨む。
「...お前...ふざけんな」
「それはこっちのセリフだよ!!」
やっと喋ってくれたと思ったら、なにが”ふざけんな”、よ!!
こっちは何週間も蘭君の顔見れなくて...
息が止まりそうな思いまでしてんのに!!
嫌われたんじゃないかって不安になってるこっちの身にもなってよ!!