【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
吐くだけ吐いて、もう用無しとでも言いたいのか、彼は私に背中を向けた。
ーーーフラリと宙に舞うことのできなかった私は、その場で倒れ込んでしまう。
もう、頭は真っ白で、何も考えたくないのに。
蘭君の隣にいた女の人が、尻もちをついてる私の前にしゃがみ込んで
そして
吸っていたタバコの煙を吸い込んで、ふぅーっと思いっきり私の顔に吹きかけた。
「ゴホゴホっ...!」
「あーらごめんね〜。
あんたが相変わらずムカつく顔してっから、少しでも可愛くなれるようにタバコの煙で化粧でもしてあげようかなって」
「...っ...ごほっ、」
すぐに消えてなくなる煙の向こう側から現れたのは、丸川さんだった。
なんで丸川さんが蘭君と一緒に...?
蘭君ばっかりに気を取られて、女の人の顔なんか見てなかった。
1番見たくなかった組み合わせかも。