【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「やっぱり...あんたに百目鬼さんを支えることは不可能なのよ」
「...意味わかんない」
「わかんないの?
人はね...触れては欲しくないことに触れらるとイライラすんのよ。
それをあんたは百目鬼さんにした、だから百目鬼さんはあんたを捨てた」
「...」
「言ってる意味わかる?
涙流してる暇があるなら考えな。
あんた見てるとほんっとイライラする」
このピリピリとした雰囲気ついでにーーーバシッと1発、私を叩く丸川さん。
痛い...
なんで私、この人に叩かれたのに何も言い返さないんだろう...?
ううん、だってもう言い返すには遅いから...。
曇った視界の先には、もう2人の姿はなかった。
これから2人がホテルの部屋でなにをするのか。
考えたくない
認めたくない
知りたくもない。
「お客様...どうかなさいましたか?」
泣いている私を心底めんどくさそうに見る店員さんに、心配する振りしてホテルから出された。
1人でこんなとこ来るのは...確かに変だしね。
私もここから早く出たかったし
でも出る勇気がなかった。
だって丸川さんと蘭君が二人っきりなんだよ?
...意地でも二人っきりにはしたくないけど、邪魔して蘭君にこれ以上嫌われたくないから
私をホテルから追い出してくれた店員さんには感謝だよ...。