【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
恐怖に溺れている身体は、インターホンを押す人差し指まで震わせていて。
数分経ってやっとボタンを押せたけど
ーーーピンポーンと静かに鳴るこの音を今だけ嫌いになりそう。
見たところ、普通の一軒家。
汚いわけでもないし...むしろ庭まで手入れまで行き届いてるぐらいだし、住んでる人が良さそうな家だ。
この普通に見える家の中で、あんな酷いことが行われているなんて...一体誰が疑うの?
普通すぎて怖い
それとも普通だから余計怖いの?
「...」
......全然出てくる気配がない。
もしかしてお留守番かな...?と。
遠慮しながらドアを引いたらガチャリと開いてしまった。
鍵をかけないなんて、なんて不用心なんだろう...。
そう思いながらも、こっそり家の中に入る私も私だけど。