【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
蘭君の過去なんて...知らないし、知りたいけど、知っていくことが怖いから知りたくない。
そんな矛盾だらけの感情で蘭君に接してきたせいで、今こんな状況になってるのかな...?
「俺は、彩羽ちゃんになら話していいと思ってるよ、蘭の過去」
そう言いながら、4本目のタバコを吸い始める歩夢さんはどこか辛そうだった。
一緒にいて楽しい...だけの関係ならよかった。
だけど
そんな関係が続けられるほど、蘭君が抱えてる闇は軽くない。
だから、彼自身をすべて受け止めてあげなきゃ本物の蘭君には会えないのかも...。
それなら、答えは1つしかないよ。
「歩夢さん、わたし。
蘭君の過去...知りたいです」
例えばすべてを知って
もう元の関係に戻れなくなるなら、それまでの関係だったで終わらせようか。
向き合えば心を開いてくれる...そんな単純な考えだけじゃ、もう済まされない。
向き合えなくてもいい
ただ黙って蘭君の痛みを私にちょうだい。
それだけで私は...幸せだから。