【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
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「いってらっしゃい、蘭」
「母さん、行ってきます」
エプロン姿の母に見送られながら、教科書もなにも入ってないランドセルを背負って、今日も俺は学校に向かう。
教科書は机の中に置きっぱなし、持って帰ったことなんて1度もない。
だから先生に毎日怒られてる
小学五年生でめんどくさがり屋とか、自分で自分の先が思いやられるぜ...。
そんなめんどくさがり屋な俺でも、母さんの前ではいい子にしてる。
猫被りってやつだな...
しょうがねえよ、だって俺母さんのこと好きなんだもん。
この世で1番好きだから、嫌われたくないのは当たり前。
母さんは優しい
俺がどんなに悪いことをしても、テストの点数が悪くても母さんは怒らない。
まあ人様に迷惑をかけるような事さえしなければ、人それぞれの生き方なんだから
好きなように生きなさいと言われた。
そんな母さんが俺は大大大好きだ。
母さんは俺のすべてなんだ。