【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。




ベッドにわざとらしく倒れて枕に顔をうずめたせいで、いつの間にか眠っていたらしい...。


目を覚まして、目覚まし時計を見ると夜中の1時だった。



やべぇ、ご飯もお風呂も入ってない。



ふと泥だらけの自分の姿を見て、完全に目が覚めた。



とりあえず風呂だけ入ろう...



その時は風呂が頭を支配して、俺はすぐに風呂場に足を進めた。



深夜風呂もなかなか気持ちがいいもんだ。

なにもかもが静かで、なによりリビングの方から鈴のうるさい声が聞こえてこないから安らぐ。




くそっ...鈴のやつ。


俺のストレスの原因はすべて鈴で出来ている。




「あーあ、いい風呂だった」



親父のような声でそう呟いて、母さん達を起こさないように静かに歩いて自分の部屋に向かっていると。



「...あれ?」



母さんと父さんが寝ている部屋のドアの隙間から、明かりが漏れている。





< 262 / 451 >

この作品をシェア

pagetop