【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
顔色が青に染まって、親の喧嘩なんか見たくないのに体がこわばって動けない。
誰かに押さえつけられてるかのように、現実を無理矢理見せられてるみたいだ。
ーーーーパンッ!!!!!!
乾いた音が部屋中に響く。
一回だけならまだよかったのに
その音を合図にして、父さんは母さんの頬を何回も叩いた。
「やめて...っ!!やめてよ!!」
「うるさい!!
女は男の言うことを聞いてればいいんだ...っ!!」
「...っ!」
父さんは怒りが収まるまで母さんを叩き、殴り、そして蹴り続けた。
ベッドのシーツが純白から赤に染まっていく。
見たことない父さんの鬼のような形相に怯えて、俺は母さんを助けることが出来なかった...。