【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
親を2人も失った俺は、それから親戚の家をたらい回しにされた。
成長する度に綺麗になっていく俺を、可愛がる親戚も少なくなかったが。
その可愛がり方がまた歪で。
俺の体を求めてくる奴もいたさ。
すべてがどうでも良くなった俺は
金さえくれるなら、親戚構わず身を差し出した。
年齢を偽って仕事もした。
俺を買ってくれる女にしか、体は差し出さない。
もちろん愛なんかねえよ。
愛なんてもんは、くだらねえ人間が生み出したただの幻想なんだ。
ちゃんと見てみろ
人間なんてもんは、どれも汚ねえ。
綺麗な心を持った人間なんかこの世にいるわけがねえ。
そんな俺と同じひねくれた考えを持った奴らが集まる、紫蓮想という名の暴走族に出会ったのは、中学3年生の夏。
喧嘩ばかりの生活を送ってた俺の噂を聞きつけて
紫蓮想の総長自らスカウトしてきた。
退屈な世界に怯えてた俺は
その時隣にいた歩夢と紫蓮想に加入。
話が合う奴らばかりで
飽き飽きしない刺激の多い紫蓮想はいつの間にか心の拠(よ)り所になっていた。