【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「てか歩夢さん...蘭君と同い年ってことは、私とも同じ歳じゃないですか...」
ジィー...と、その仮面のような綺麗な笑顔を見つめると、歩夢さんは笑いながら立ち上がった。
「さん付けやめてくれるの?」
「今更...歩夢さんに対してタメ口になるのもおかしい気がするから、やっぱり敬語のままで」
「彩羽ちゃんらしいね。
それじゃあそろそろ行こうか」
「えっ、どこにですか?」
「分かってるくせに、俺に言わせる気?」
紫蓮想の倉庫は無駄にバイクのヘルメットが置いてあって、その1つを私の頭に被せる歩夢さん。
倉庫の扉を未知さんが開いた瞬間
倉庫内に夕日の光が一直線に差し込んできた。
その光に目を細める。
...綺麗だ。
「ごめんね彩羽ちゃん。
俺、これから用事があるから。
蘭の家まで未知に送ってもらってね」
「えっ!!未知さんにですか??」
「えっ、俺じゃ不満なの〜?」
「いや、別に...。
未知さん...お願いします」
「りょーかい!!」