【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
おかしいのは当たり前、だって恋してるんだもん。
恋はね、1番人を良くも悪くもさせる魔法なんだよ?
そんな魔法にかかった私は
多分もう歯止めが効かないくらい、おかしくなってるの。
オートロック式のドアを閉めて
私の横を通ろうとする蘭君の腕を掴んだ。
ーーー逃がさないよ、絶対に。
「...離せ」
「嫌だ」
「おまえ...っ、」
イライラし始めた蘭君が、私から逃れようと思いっきり腕を振って、私の手を振り払った。
そのせいでバランスを崩した私は尻もちをつく。
蘭君は数秒私を見下し、背中を向け、歩き出した。
「ずっと...っ、待ってるから!!」
「...」
「蘭君が帰ってくるまで、ここを動かない...絶対に!」
遠のいていく彼の背中に向かって、そう叫んだ。
絶対に、もう絶対に離してなんかやらない。
蘭君の気持ちなんか無視して、勝手な愛をぶつけるんだ。
こんなにも直球に愛を向けられたことがない蘭君は、どう見ても戸惑いを隠せてない。
迷惑とか、そんなものどうでもいい。
蘭君だって私に冷たくしてるじゃん。
だったら私は振り向いてもらえるまでしつこく彼にまとわりついて
そして
愛を知ってもらうんだ。