【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。






ふわりと私を抱き上げた蘭君が、器用に鍵をドアに差し込み、家の中に入る。



夢みたい...

蘭君にお姫様抱っこされるなんて。


ほんと...夢なら覚めないでほしいよ。



「へへっ...やっぱり戻ってきたね...」


「まさか2日も待つとは、思ってもみなかったけどな」


「でも嬉しいよ...っ...」


「もう...喋んな」



2日間お風呂に入ってないから汚れてるのに、そんなの構いやしないと私をベッドに降ろす蘭君。



「水...取ってくるから、動くなよ」


「あっ...」



せっかく戻ってきてくれたのに
また離れて行くなんて...蘭君はとても罪深い。




ねえ蘭君、蘭君大好き...


こんなに想ってるのに伝わらないなんて
人って人の気持ちには鈍感なんだね...。


自分の気持ちには...こんなにも痛めつけられるのに。




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