【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
私の肌に触れてくる蘭君の指が、髪が
私の吐息を熱くさせる。
「んっ...っ...」
「彩羽、こっち向け」
「やっ、...っ!!?」
蘭君に触られる度、体に電気が走って頭がクラクラする。
寝不足に快感に蘭君。
そのすべてが、私を壊す特効薬。
私の唇を蘭君が親指の腹で拭って、ギュッと強く抱きしめる。
ああ...蘭君の体温が気持ちいい。
「蘭君好きだよ...」
「...」
「大好き」
この行為に愛がないことくらい、私にだって分かる。
でも少しでも蘭君の寂しさが紛れるなら、それでいい。
それでいいから...、最後まで泣くな、私。
「ねぇ、蘭君」
「...」
「あのね」
"愛してる"
その言葉を彼に告げたかどうかは意識がボヤっとしていたせいで、覚えてない。
快感の波に呑み込まれ、私は意識を手放した。