【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
*
パチリと目を覚まし、視界いっぱいに広がる天井は、ハジメテを蘭君に捧げた私とは違って真っ白だ。
...やばい
全然覚えてない。
行為の最中に寝るなんて...わたし、最悪。
起き上がって、床に散らばっている服を急いで着ていると
ーーーガチャリと開いたドアから、蘭君が現れた。
「彩羽...」
申し訳なさそうに名前を呼ばれて、戸惑ってしまう。
なんでまだ...そんな辛そうな目をしているの?
「私じゃ...ダメだった?」
目線も合わせず震えた声でそう聞いた。
冷えきった蘭君の体を
私じゃ満足させてあげる事が出来なかったんだ...。
「...っ...彩羽、悪い」
俯く私の横に蘭君が腰を下ろすと、ベッドがギシリと音を鳴らせた。
「やっぱり私じゃ蘭君を満足させることがっ...」
「違う彩羽、最後までやってない」
「.........へっ?」
今......なんて?
「気絶した相手に、最後までやるわけないだろ。」
「...」
「それに、罪悪感も半端なかったし
俺はお前が気絶してくれて、よかったと思ってる」
「...っ...!?」