【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「彩羽...ごめ...」
「...うん」
「傷つけてごめん...っ」
「...うん」
「八つ当たりばっかりで、ごめん」
「うん、いいよ」
「それと...」
"好きになってくれて、ありがとう"
柔らかい表情で蘭君が私に言う。
ずるいよ蘭君...
...そんな優しい振り方...。
でも。
安心しきった顔で、私を抱きしめながら眠る蘭君が可愛いから、不思議と傷つかない。
「...蘭君のバカ。
振った相手に甘えるなんて...デリカシーなさすぎるよ...」
フッと鼻で笑って、私も蘭君にくっついて目を閉じた。
溺れていたいの。
ずっと彼に。
忘れない、忘れられない、忘れたりなんかしない。
きっとこれから先
蘭君以上に好きになれる人なんかいないから
私にはずっと蘭君だけ。
...蘭君しか、いらないんだ。