【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「えっ、彩羽ちゃん振られちゃったの!?」
蘭君に振られて、もう1週間が経つ。
学校帰り、道で偶然会った歩夢さんに「お茶しない?」とナンパみたいな言い方で誘われ。
今、モノクロで統一されているオシャレなカフェで
ゆっくりオレンジジュースを飲みながら、あの日の出来事を歩夢さんに話している。
...まあ、振られた話なんだけどね。
「そりゃあ...私のこと好きじゃないんだから、振りますよ」
「いや、彩羽ちゃんならいけると思ったんだけどなー...」
「歩夢さん、私に期待しすぎです。
蘭君は私のこと、ただの女友達としか思ってません」
「んー、でも。
蘭が女の子と仲良くしてるのが、ものすごーく違和感でしかないから。
もしかして彩羽ちゃんのこと好きなのかと...」
そんな夢みたいな話...あるわけないのに。
別に、振られたからといって
蘭君への気持ちが冷めるわけでもないんだし。
そりゃあ、出来ることなら蘭君と恋人同士になりたいよ...。
でもあっちに気持ちがないんだもん。
無理に付き合ってもらっても、気持ちがなきゃ...全然嬉しくない。