【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「ら...、蘭君!?」
窓ガラス越しにお店の外に居る蘭君。
驚いて席を立つ私に歩夢さんが
「ここは俺が払っとくから、彩羽ちゃんは蘭と帰りなよ」なんて。
蘭君と二人っきりになりたい私の恋心を見透かした。
「歩夢さん、今日はありがとうございました。
また恋バナしましょうね!」
「恋バナって...。
彩羽ちゃんも、やっぱ女子高生なんだね。」
「それどういう意味ですか...っ!」
「いや?
小さくて可愛いから、小学生だとずっと思ってたよ」
「...歩夢さん、さすがにそれは無理がありますよ」
「俺も自分で言ってて思った」
最後の最後に笑わせに来る歩夢さんはほんとズルい。
私は歩夢さんにペコリと頭を下げて
急いでお店から出た。
「蘭くんお待たせ〜」
蘭君は別に私のことを待ってたわけじゃないけど、自然と緩む口がそう言ってしまった。
「...学校帰りか?」
「うん、なんで?」
「いや。歩夢と連絡取り合ってんのか?」
「あっ...ううん、たまたま歩夢さんに会って、流れでカフェに」
「...そうか」