【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
顔を歪めている蘭君が急にフラリと歩き出すから、短い足で私もついて行く。
なんでそんなこと聞くんだろう...?
ハッ!!
これはもしかして。
「嫉妬かな?」
「...」
「なーんて...ね...」
からかい半分で言ったのが悪かったのかも。
蘭君の顔がみるみる赤くなる。
その顔に、いつもの無愛想さはもう残ってない。
「えええええ!!!!
ちょっ蘭君!!なんでそんなに顔が赤いの!?」
「違う...、ただ気になっただけだ」
それを嫉妬と言うんじゃ...。
「えへへ、うへ、ぐへへ」
「なんだその笑い方は。
気持ち悪いな、お前」
「なんとでも言いなさい」
これが浮かれずにいられますか!
本人は気づいてないかもしれないけど...
そんな顔されちゃ、期待しちゃうよ?
いいの?
ううん、ダメって言われても勝手に期待しとくね。