【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「らん...っ!!
お前彩羽ちゃんになんてこと...!」
「うるせえ歩夢。
お前は黙ってろ」
「...っ」
振り返って歩夢さんの胸ぐらを掴む蘭君は、正気じゃない。
「おい...っ!」と先生が慌てて止めにはいるけど
蘭君が歩夢さんを勢いよく引っ張って、先生に向かって投げた。
反射的に歩夢さんを受け止める先生はドアの前でーーードサッと尻もちをつく。
一体私は...なにを見せられてるんだろう?
こんな乱暴な蘭君...前にも見たがある。
でも、歩夢さんにこんなひどい事するなんて...蘭君らしくない。
どうしちゃったの?蘭君。
2人を見下ろした蘭君は無言の圧力で2人を部屋から追い出した。
ーーーピシャリ...と、ドアが静かに閉まる音。
一気に気まずくなる空気
私の方を見る蘭君は、やっぱり...いつもと違う。
怖い
今の彼には、それ以外...なにも感じない。