【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
*
チュンチュンと、目覚ましがわりに鳴った、小鳥の声で目が覚めた。
締め切ったカーテンのせいで、太陽の光を浴びれない。
「ふあ〜、よく寝た〜」
目を擦りながら、アクビ一発。
寝ぼけていたせいで、完全に油断していた...。
「おい」
すぐ近くから聞こえてきた低い声に、肩がビクッと揺れる。
目を何回も閉じたり開いたりした。
なんだかいい匂いがするな〜ってだけで、とくに気にしていなかったけど...。
顔のすぐ近くにある蘭君の胸板。
ほどよくついている筋肉に、朝から大胆にドキドキしてしまった。
「ごっ、ごめん!!」
わざとじゃないから、すぐに離れた。
蘭君は不機嫌そうにベッドから起き上がる。
「...お前のヨダレで、俺の服はびしょびしょだ」
「ひえ!?うそ、恥ずかしい!!」
「お前な...恥ずかしがる前に謝れよ」
「ご...ごめんなさい」