【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「ぷはぁー!!外の空気サイコーーー!!」
季節は早くも夏を迎え入れ、入院して1週間が経つ。
そして今日...私は自由の身となった。
病室内に設置されている自動販売機で、ペットボトルのお茶を買って
ゴクゴクといい音を喉から鳴らしながら飲んでいると
「あっ...」
肩と耳の間から伸びてきた手が、私からお茶を奪う。
「ゴクッ...、あんま美味くねーなこれ」
そう言って、一口でペットボトルを返す蘭君は、自然に間接キスをしてくるのです。
「もう!勝手に飲んどいてそれはないよ!」
「そもそも"お茶の野菜味"ってだけで意味わかんねーし、誰も買わなさそうなのに...なんでお前、これ買ったんだ?」
「...好きなんだもん...」
「趣味悪。
まあ俺を選んだ時点で、趣味が悪いのは分かりきったことか」
「なっ...!?
それって全然趣味悪くないじゃん!!
超超ちょー!カッコいい蘭君を選んだ自分を褒めてあげたいくらいだね!」
「真っ昼間の病室の外で何言ってんだお前...。
恥ずかしい奴」
「〜〜〜っ!」