【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
朝から蘭君の機嫌を損ねてしまった。
目の前でいきなり着替え始める蘭君は、それはそれは色気たっぷりなのに。
人の家で、しかも人の服にヨダレを垂らす女って...めちゃくちゃ色気がない。
ああ...どうしよう嫌われたら。
「蘭君ほんとにごめんねっ!!」
リビングに足を進める蘭君を追っかけて、ひたすら謝る。
「...こんなめんどくさい女に会ったのは初めてだ。
お前のせいで俺は寝不足だ」
「へへっ...あの、私はよく眠れたよ?」
「お前のことは聞いてねーよ」
コツンと軽くおでこを小突かれて、怒られてるのにときめいてしまう私は、全然反省してない。
「...あっ、じゃあそろそろ帰ろうかな」
これ以上、マイナスな行動をして蘭君に嫌われたくないから。
玄関の方に体を向ける。