【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





朝から蘭君の機嫌を損ねてしまった。




目の前でいきなり着替え始める蘭君は、それはそれは色気たっぷりなのに。



人の家で、しかも人の服にヨダレを垂らす女って...めちゃくちゃ色気がない。


ああ...どうしよう嫌われたら。




「蘭君ほんとにごめんねっ!!」


リビングに足を進める蘭君を追っかけて、ひたすら謝る。




「...こんなめんどくさい女に会ったのは初めてだ。
お前のせいで俺は寝不足だ」


「へへっ...あの、私はよく眠れたよ?」


「お前のことは聞いてねーよ」




コツンと軽くおでこを小突かれて、怒られてるのにときめいてしまう私は、全然反省してない。




「...あっ、じゃあそろそろ帰ろうかな」




これ以上、マイナスな行動をして蘭君に嫌われたくないから。



玄関の方に体を向ける。




< 36 / 451 >

この作品をシェア

pagetop