【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「わたし...」
「...?」
「殴ったこと...謝らないし、百目鬼さんを殴れて正直スッキリしました」
「...そうか」
「百目鬼さんのこと本当に好きでした。
それじゃあ...」
それだけ言って、パタパタと逃げていく丸川さんの足音が遠ざかっていく。
最後まで...愛を貫き通した丸川さんは綺麗だった。
ここは彼女としてホッとするべきところなんだろうけど
丸川さんが振られたとき、ちょっとだけ胸が痛かったよ。
だって
丸川さんと私ってタイプは違うけど、蘭君に依存してるところがそっくりなんだもん。
自分が他人だったら...ああいう感じなんだろうなー...。
「蘭君、怪我大丈夫?」
丸川さんに殴られて赤くなった蘭君の右頬に、ポケットから取り出したハンカチを当てた。
「あいつすげえな。
正直男の拳より効いた」
「...愛が加わってますからね」
「愛って痛かったのか...」
「そういう意味じゃないんだけど...」
「なあ彩羽」
「んっ...?...って、えっ!?」