【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「それじゃあ皆。
夏休みだからといって、羽目を外さないように。
始業式にまた会おう!解散」
ミーンミーンと、夏バテなんてへっちゃらな蝉の元気な鳴き声と、先生の合図で皆が一斉に教室から飛び出していく。
明日から夏休み。
正直皆より私の方が浮かれてると思う。
だって...
「彩羽、どっか寄ってくか?」
学校から出て、同じ方向でもないのに蘭君と一緒に帰る道は、なんだか特別。
初めての彼氏と夏休みを過ごせるなんて...
ニヤニヤが止まらないどうしよう。
「...?
おい彩羽、聞いてんのか?」
「えっ!?なにが!!」
「...やっぱ聞いてなかったか。
暑いし近くのコンビニでアイスでも買って食うか」
「わっ!!やったー!!
蘭君と買い食いだー!!」
「買い食いって...、お前なんだ?その色気のねえ言い方は。
まあ別にいいけど」