【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





ーーーピロリン!


携帯から鳴る音にすぐに反応して画面をタップした。


もちろん相手は...



「......光花」


蘭君ではなかった。




親友からのメッセージも、こんな心の状態じゃ喜べない。


光花が送ってきたメッセージ内容は
『三日間だけバイトやらない!?いや、やるよね彩羽なら』と。ノリにしては強引な誘いに携帯画面前でたじたじな私。




でも...ちょうどいいや。



バイトで暇な時間は埋まるし、それにお金だって手に入る、一石二鳥だね。



「やる...っと。」


携帯画面に指を踊らせて光花に返信した。



したはいいんだけど...



バイトの日に蘭君からデートに誘われたらどうしよう。




でもあっちだって、毎日毎日バイトだーって私の誘い断ってるし。


私だって...蘭君の誘い断ってみたい。



「もう...蘭君なんか知らないもん、ばかっ」



携帯を壊しそうな勢いで握りしめて、枕に顔を埋める。



まだ外は明るいのに、私は少しの間だけ夢の世界へ旅立った。










< 385 / 451 >

この作品をシェア

pagetop