【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
ーーーピロリン!
携帯から鳴る音にすぐに反応して画面をタップした。
もちろん相手は...
「......光花」
蘭君ではなかった。
親友からのメッセージも、こんな心の状態じゃ喜べない。
光花が送ってきたメッセージ内容は
『三日間だけバイトやらない!?いや、やるよね彩羽なら』と。ノリにしては強引な誘いに携帯画面前でたじたじな私。
でも...ちょうどいいや。
バイトで暇な時間は埋まるし、それにお金だって手に入る、一石二鳥だね。
「やる...っと。」
携帯画面に指を踊らせて光花に返信した。
したはいいんだけど...
バイトの日に蘭君からデートに誘われたらどうしよう。
でもあっちだって、毎日毎日バイトだーって私の誘い断ってるし。
私だって...蘭君の誘い断ってみたい。
「もう...蘭君なんか知らないもん、ばかっ」
携帯を壊しそうな勢いで握りしめて、枕に顔を埋める。
まだ外は明るいのに、私は少しの間だけ夢の世界へ旅立った。