【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
光花と屋上でお弁当を食べていた時のこと。
ダンダンダン!と切羽詰まった激しい階段を上る音がすぐそこから聞こえてきて、反射的にドアの方に目を向けると。
開けっ放しのドアから現れた汗だくの鈴君が
一度立ち止まって、私の目の前に立つ。
「ねえ、彩羽先輩!
今日の放課後一緒に帰りませんか!?」
「ごめんね...今日も無理なんだ」
「えーっ!!!?」
友達になった次の日から、私の思いと裏腹に、めちゃくちゃ話しかけてくる鈴君。
誘われても断って
誘われても断ってを、1週間も繰り返していた。
「ちょっと!あんたなんなの!?
彩羽はあんたのことなんか興味ないの!!
何回も断ってんだから、そろそろ諦めなさいよ」
毎日毎日お弁当の時間を邪魔されて、堪忍袋の緒が切れたのか、光花がプチトマトに箸をぶっ刺しながら言う。
「彩羽先輩の友達には関係ないじゃないですか〜」
「だからって、毎回お弁当の時間に現れなくてもよくない!!?
うるさいのよあんた!!」
「先輩美人なのに怖いっすね。
絶対モテないでしょ?」
「モテるつーーーーーーーの!!!!!!」