【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
なんだかんだ言いながら、私より光花の方が鈴君を可愛がっていた。
このまま鈴君の興味も光花に向けばいいのに、と。
胸の奥の違和感を必死に忘れようとして、1週間が過ぎた頃。
「あれ、彩羽先輩!彩羽先輩だっ!!」
土曜日のファーストフード店は人が多くて、ちょっとだけ嫌気がさす。
蘭君がお手洗いで席を外して居ない時に、ワンコみたいに見えない尻尾を振りながら私に近づいてきた鈴君。
ものすごーく嫌な顔で、彼を見た。
「先輩、もしかして僕に会うの嫌でした?
...休みの日にまで話しかけてすみません」
「あっ、いや!!そういうわけじゃないの、ごめんね」
ここまでくると、さすがに心が痛む。
だから...蘭君の弟と鈴君はまったく関係ないんだから。
もう、蘭君の弟のことは忘れよう
うん、そうしよう。