【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。









頭の中では分かっているつもり。


でも近くにあった彼の存在が、未だに温もりとして残っているから...


また会いたいと願ってしまうこの気持ちは...なんだろう?




「うぅ...今日も雨か...」



教室の窓から見つめた、ポツポツと静かに降り注ぐ雨。



夏なのに、梅雨本番並のジメジメ感が汗を温くする。



びしゃびしゃと運動場に出来た水溜まりは、涙を堪えているように見えて憂鬱だ。



ここのところ雨が続いている。



蘭君と出会った日から、今日で1ヶ月。


あの日から関係が進むどころか、存在すら見かけていない。



本当に終わってしまった、一夜限りの関係。



子供にしては濃い、大人にしては浅い。


そんな、関係すら始まっていない一夜だったのかもしれない。










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