【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。









「雨...止んだわね...」


「うん、嘘みたいに止んだね」



放課後、泣いてばかりの空が、嘘みたいに明るく笑う。



太陽まで出てきちゃって...お天気さんは情緒不安定なのかな??



「...どうする?雨だから諦めてたケーキ屋でも行く?」



机に教科書を入れたまま持って帰る気0の光花が、見るからに軽い鞄を持ちながら言う。



「うん!どうせ帰っても暇だし、行きたいなー」




お母さんは仕事で夜まで帰ってこないし。


1人で居ると、暇すぎて死んじゃう。



私が中学1年生の頃
父と性格の不一致で離婚した母は、女手一つで私を育ててくれている。


だから"早く帰ってきて"なんて。
口が裂けてもそんなワガママ言えないし。



お母さんが私のために働いてくれている事くらい分かっているから
構ってもらえなくたって、そこにはちゃんと愛があることくらい知っている。




唯一私の家庭環境を光花は知っているから、暇があるだけ隣に居てくれるし。



光花にはほんと...感謝してもしきれないよ。



寂しくないのは光花のおかげ。


生きていけてるのはお母さんのおかげだよ。










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