【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
雨が降ってきた。
ポツポツと、不自然に。
泣いているのは誰?
空?
それとも蘭君...?
苦しかった。
戻せない吐息を吐くだけ吐いて
お墓に背を向ける蘭君の姿が愛しいほどに勇敢だった。
お父さんとまで、縁を切らなくてもいいのに。
それでも、もう不要だと思った苦しみ(過去)をどうしても捨てたかったんだろうね。
苦しまなくていいよ。
知ってるよ、それがどれだけ勇気のいることか。
だから安心して泣いていいよ。
苦しいだけの思いとは...今度こそさよならだ。