【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
お墓から蘭君のマンションに戻ってきて
雨で冷えた体をタオルで拭いた。
ぽたぽたと。雫が床に落ちていく。
そんなの気にならないくらい
外の雨音が、ひどいくらいに耳を刺激する。
電気をつけてないせいかな...?
静寂と時の中で、見つめ合う目と目がなんだかいやらしい。
「彩羽...」
私の名前を切なげに呼ぶ彼に、求められているような気がした。
だから、いつの間にか
私達はベッドの上にいる。
まだ乾き切ってない体で抱きしめ合う体温に酔いしれてしまいそうだ。
後戻りは出来ないことくらい分かってる。
でも、こんな日だから、こんな時だからこそ。
彼にすべてを捧げたいんだ。