【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
*
朝起きて、誰も居ないはずのリビングに顔を出すと
エプロン姿の彩羽が朝からガッツリ系の食事をテーブルに並べていた。
「...なにしてんだ、お前」
後ろからそっと声をかけると、すぐに振り向く彩羽。
「あっ!蘭君起きるの遅いよ!!
いくら土曜日だからって12時まで寝るなんて、体に毒なんだから!!」
そう彩羽に言われ、テレビに目をやると
確かに画面には"12時"の文字。
まあ、そんなことはどうでもいい。
そういえば俺...こいつにマンションの部屋の鍵渡してたんだっけ。
起きたら居ないはずの君がいて、その存在が自然に俺の顔をいい方に歪ませる。
俺のために食事を作って
俺の体調を気遣って
俺のために...全部、なんでもしようとしてくれる。
それがあまりにも嬉しくて
俺は...