【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
光花とバイバイして、雨が降る前に帰ろうと...思ったのも束の間。
ピチョ...ピチョ...ザァーーー......。
静かな音から大きな音へ。
雨が降り出した。
「うわっ...最悪」
独り言を呟きながら、曇った天気を見ると、ビルやお店まで暗くなるから不思議。
人が作った明かりだけじゃ、この世界は支配出来ないことを知る。
「...ちょっとだけ、ここで雨宿りさせてもらおうかな」
年季の入った駄菓子屋さんの外で、屋根だけ借りて1人ポツンと雨宿り。
すぐ近くにある男子校からやってくる生徒達は、雨さえ楽しんで泥だらけになっていた。
いいなぁ...楽しそう。
私は雨嫌いだから、あんな風には楽しめないや。
あるはずの太陽がないこの季節に、気分まで下がっちゃって。
雨で濡れた制服が私の体温でいい感じに温ってきたとき。