【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
こんなパッとしないカラオケ店、初めて見た。
薄気味悪いし、部屋に入っていくのは柄の悪い連中ばかり。
「なに、緊張してるの?」
私の腰に馴れ馴れしく腕を回す金髪の男。
少年のような大きくて丸い瞳。
その瞳と合わせた私の瞳が言う。
"こういう男は苦手"だと。
「あの...あんまり触らないでほしい、です。」
「可愛いね、男慣れしてないんだ?
好きだよ、そういう子」
うそつき。
誰にでも言ってるんでしょ?そういう甘い言葉。
だから、むやみに相手にしないで、店員さんに言われた番号の部屋へ足を運んだ。