【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「どっかのバカ女のせいで骨折っちまった」
「ちょっ!!蘭君その言い方はないよ!!
これでも助けようとしたんだからっ!!」
「余計なお世話だ、つかお前、もっと離れて歩けよ」
「離れて歩けって...なんでそんな冷たい言い方しか出来ないの。蘭君のバカ...」
白衣の天使が忙しそうに歩き回っている真っ白な病院内で。
診察を終えた蘭君が、ギプスを腕に固定されて、あまりの似合わなさに思わず笑ってしまった。
そのせいで蘭君は不機嫌になり、言い合いに。
喧嘩するために病院に付き添ったわけじゃないのに...。
入院すれば早く良くなるのに。
蘭君のワガママで、入院だけは絶対にしないと。
整形外科の医師を困らせていた。
でも絶対安静だと先生にも強く言われ
数時間経ってようやく病院から解放された。
「たくっ...歩夢(あゆむ)の奴、なんでこいつまで連れてこさせたんだよ...」
駐車場で待っていてくれた高級車に乗って、蘭君は窓の外を見つめながらブツブツと独り言。
「あゆむ...?」
って、誰?
蘭君の独り言に思わず反応してしまった。