【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
別に...特別気になったわけじゃないけど。
歩夢って、男にも女にも使われる名前だから。
蘭君の口から出た"歩夢"と言う人が、もし女の人だったら...。
嫌かも...。
だって蘭君、私の名前は1度も呼んだことないのに
そんな簡単に他の女の人の名前は呼ぶなんて...。
ちょっと、いや、かなり嫌かも。
「歩夢は歩夢だ」
「...?」
「...茶髪の男、お前もさっき喋ったろ」
「あっ!!」
茶髪で思い出した!!
あの人歩夢さんって言うのか...。
「なんだ...女の人の名前じゃなかったんだ...」
「...?なんか言ったか?」
「うっ、ううん!!なんでもない!!
それより腕は大丈夫...?」
「ああ、誰かさんのおかげでな」
「...なに、そのトゲのある言い方...」
「冗談だ」