【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
目線を合わせてくれたと思ったら、すぐにそっぽを向く蘭君。
そんなに私の顔見て喋りたくないのかな...?
でも窓ガラスには、口角を上げて笑っている蘭君の顔が映っていた。
蘭君のこと、怒らせてばっかりだと思ってたけど。
まさか笑ってくれるなんて...。
「ふふ...」
「なに笑ってんだよ...気持ち悪い奴だ」
「蘭君に言われたくないよ」
「...言うようになったな、お前も」
好きな人と、こんな風に会話が出来るなんて。
最初は緊張してなに喋っていいか分からなかったけど。
意識よりも、蘭君と少しでも長くお喋りしたくて、怒られない程度に憎まれ口を叩いてみたり。
蘭君が年上じゃなくてよかった。
もし年上だったら、余計緊張しちゃって話せないもんね。