ヘタレなボクが愛した人
しばらくして、コーヒーが出されて、ひと口すすったボクは深呼吸して、

「ありさちゃんと、イケメンさんが楽しそうにお店に入っていくのを目撃してしまって…」とボクは言った。

「えっ?姉ちゃんが?こないだ別れたばっかりだったのに…いつの間に?」

天然なんだろうか?悪気は無いのはわかってる。

けど…優の言い方に少し傷ついた。

「今まで噂では聞いてたけど…生で見てしまうのは初めてだったから…そのショック大きくて、食事もロクに喉通らないし、眠れない…」とボクは正直に話した。

久しぶりのコーヒーとケーキはボクの胃を優しく労ってくれた気がした。

「んーそだね、とりあえず。姉ちゃんには真相確かめとくから!辛かったのか〜気づいて無くてゴメンな?近くにいるのに俺がもっとハッキリ気づいててやれてれば良かったよな。とりあえず、心が落ち着くまでは休もう?このままじゃ仕事に悪影響を及ぼす」そう優に言われて、ボクは頷いた。

そうするとあっという間に?優はどこかに連絡を取り始め、新たなスケジュールを組み直してくれた。

そして改めて「晴香さんとこ行こ?俺も一緒に行くし…晴香さんに相談するのが1番だよ!きっと」と優は言ってくれた。

そしてコーヒーにケーキを満喫したボク達は店を出た。

もちろんここでも会計は優が出してくれたので、支払っていない。

ここ位は払えるから自分で払うと言ったんだけど、連れて来たのは自分だし…と押し切られてしまった。

そしてボク達はお姉ちゃんの家に向かった。

チャイムを鳴らしても、中々出てこなかったので留守かな?と思ったんだけど…

出てきたお姉ちゃんは誰かわからないくらいだった。

メガネをかけ、ジャージ姿に髪の毛はボサボサにテキトーにくくってるだけ。

仕事中だったのか、ジャージの着かたも荒々しく逆にそれがちょっとエロい。

自分のお姉ちゃんだけど、男から見たら確かに、イチコロと言ってもいいほどに…セクシーだった。

「あら?優くんに順也?いらっしゃい」とダルそうにドアを開けたくせに、なんともないようにスマイルで通してくれた。

あいにく、雪弥さんは居ないらしい。

だからなのかな?いっつもキレイにしてるお姉ちゃんが少しダサイのは…

いや、けど…ジャージ姿でもここまで色気あるお姉ちゃんだからこそ雪弥さんも惚れてるんだろうけど。

てか…優は何で何も言わないんだろう。

気にならないのか?
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