ヘタレなボクが愛した人
「ゴメンね〜ちょっと服装乱れてるけど…」と笑うお姉ちゃん。

「あ〜、お気になさらずに。お仕事中だったんですよね?お邪魔してスイマセン!ジャージ姿でもおキレイですねぇ〜」なんて呑気に返す優。

ドキドキもしないのか?ボクでもドキドキするのに。

「優、ドキドキしないの?」ってボクは聞いてしまっていた。

「あ?何で?晴香さんがキレイなのは昔からじゃん!」と言う優にそんなものか?と思ったんだけどこれは言わないでおこう。

「で、何があったの?クマも凄いし、ちょっとやつれてるし…」とお姉ちゃんは言う。

「あっ、とりあえず、お茶かコーヒー出すわね!どっちがいい?」とお姉ちゃんが言う。

「俺、コーヒーお願いしても…?」と優が言う。

「さっきカフェでコーヒー飲んだけど…?」とボクが言うと、

「いいの!晴香さんが淹れるコーヒー美味しんだもん」と優が言うもんだから、笑いながらお姉ちゃんはコーヒーを入れてくれた。

そしてボク達は席についた。

コーヒーを飲むながらゆっくりしてから、口を開いたのはボクではなく、優だった。

カフェで話した内容を丁寧につたえてくれた。

「はぁぁ、情けないわね!雪弥にも相談しとくから!とりあえず、ご飯はしっかり食べること!それと!睡眠は大事よ?体調崩したら大変でしょ?優くんやメンバー、周りにも沢山迷惑かけることになるんだから気をつけなさい!」とお姉ちゃんに怒られてしまった。

はーいと言いながらも落ち込むボクを見て、

「まぁ、まぁ晴香さんそんな怒んないでやってください!」となだめてくれる優

「甘いわ!優くんは順也を甘やかし過ぎよ!だからこの子が余計スカタンのヘタレになるのよ!」とお姉ちゃんは言う。

ごもっともです。

「まぁ、そうなのかも知れませんけど…それが順也さんの魅力でもありますから」と優は言った。

おかげでお姉ちゃんはそれ以上何も言わなかった。
< 11 / 41 >

この作品をシェア

pagetop